令和8年度 助成金速報!「賃上げ支援」が過去最大級の拡充へ

   

明けましておめでとうございます。

社会保険労務士法人 総合経営サービス肥後労務管理事務所の白井です。
本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

令和8年がスタートしました!

経営者の皆様においては、春闘や4月の新年度に向けた賃金改定の検討を本格化させている時期ではないでしょうか。昨今の物価高騰や人手不足を受け、「賃上げ」は避けて通れない経営課題となっています。国もこの流れを強力に後押しするため、令和8年度の助成金制度を「賃上げ」と「生産性向上」を軸に大幅に拡充する方針を打ち出しています。

今回は、厚生労働省の令和8年度予算概算要求および補正予算案の情報を基に、特に注目すべき「業務改善助成金」と「働き方改革推進支援助成金」の変更点と、今のうちに準備すべきポイントを解説します。

 

【令和8年度の全体像】キーワードは「賃上げ」×「設備投資」

厚生労働省の発表した令和8年度予算概算要求によると、雇用維持や人材育成に加え、企業の生産性を高めて賃上げ原資を確保するための支援策が最重要項目として挙げられています。

これまで以上に「賃上げを行った企業」あるいは「これから賃上げを行う計画がある企業」に対して、設備投資費用やコンサルティング費用を手厚く助成する仕組みが強化されます。

 

注目1:300億円規模へ増額!「業務改善助成金」の超拡大

事業場内の最低賃金を引き上げ、設備投資を行った場合に費用の一部を助成する「業務改善助成金」。令和8年度は、この助成金が過去最大級の使いやすさになる見込みです。

予算規模の大幅増額とコース再編

厚生労働省の資料によると、補正予算と合わせて約300億円規模の予算が計上される見通しです(出典:厚生労働省 令和8年度厚生労働省所管予算概算要求関係資料より)。予算が増えるだけでなく、制度の中身もより実情に合わせた形へ「コース再編」が行われる予定です。具体的な変更点の予測は以下の通りです。

●申請区分のシンプル化: 従来の複雑な賃上げ額コースが見直され、より多くの中小企業が該当しやすい区分へ統合される可能性があります。

●対象経費の拡大: IT導入(POSレジ、受発注システム)だけでなく、省力化に資する機械装置や、店舗改装など、認められる経費の範囲が柔軟になることが期待されます。

●特例事業者の要件緩和: 原材料高騰の影響を受けている事業者に対する特例措置が、より広範囲な業種で適用しやすくなる方針です。

この助成金は「先に計画を出し、設備投資を行い、実際に賃金を引き上げた後」に支給申請を行う流れが基本です。春の賃上げに合わせて活用するには、1月~2月のうちに導入したい設備(機械やシステム)の選定を済ませておく必要があります。

 

注目2:「働き方改革推進支援助成金」の賃上げ加算強化

残業時間の削減や有給休暇の取得促進に取り組む企業を支援する「働き方改革推進支援助成金」も、2026年度はパワーアップします。

賃上げ実施企業へのインセンティブ拡大

単に労働時間を減らすだけでなく、「賃上げ」をセットで行う企業に対して、助成額の上限を引き上げる「賃上げ加算」が大幅に強化される方針です。

●目的  :労働時間短縮 + 賃上げ原資確保

●支援対象:機器導入、賃金制度整備コンサルティング費用への助成強化

●加算要件:3%~5%の賃上げ→賃上幅や対象人数に応じた段階的な加算額の増額

特に、IT機器の導入や専門家によるコンサルティング費用に対する助成率や上限額が見直されるため、生産性向上と賃上げを同時に達成したい企業にとっては非常に強力なツールとなります。

 

令和8年度に向けて今やるべき「3つの準備」

助成金は「知っているか知らないか」「準備が早いか遅いか」で受給できるかどうかが決まります。新年度の公募開始(例年4月頃)を待つのではなく、今の段階から以下の準備を進めてください。

1. 自社の「最低賃金」と「近隣相場」の把握

現在、自社で最も低い時給(月給者の場合は時給換算)がいくらなのかを確認してください。地域別最低賃金との差額が少ない場合、業務改善助成金の有力な対象候補となります。

2. 設備投資計画のリストアップ

「あったら便利だが、コストがかかるため後回しにしている設備」はありませんか?
例えば、自動精算機、在庫管理システム、特殊な業務用車両などです。これらをリストアップし、概算見積もりを取っておくことで、公募開始と同時にスムーズに申請へ移行できます。

3. 就業規則の見直し準備

賃上げや労働時間制度の変更には、就業規則の改定が必須です。現在の就業規則が法改正に対応しているか、賃金規定が現状に即しているか、専門家を含めてチェックを行ってください。

 

まとめ:賃上げをコストではなく「投資」へ

2026年度の助成金は、中小企業が直面する「賃上げ圧力」を、「生産性向上による企業体質の強化」に変えるための大きなチャンスです。

300億円規模の予算が用意されるとはいえ、人気のコースは早期に予算上限に達して受付を終了する可能性も十分にあります。次年度の事業計画に「助成金の活用」を組み込み、戦略的に準備を進めましょう。

当事務所では、貴社の状況に合わせた最適な助成金の提案から申請代行までトータルでサポートしておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。


この記事の執筆者

社会保険労務士法人総合経営サービス肥後労務管理事務所
社会保険労務士 代表社員 白井 章稔

長年にわたり中小企業の労務管理・助成金申請支援に従事。法改正の最新トレンドを踏まえた、実効性の高い提案に定評がある。企業の「人」に関する課題を解決し、持続的な成長をサポートすることをミッションとしている。



社会保険労務士法人 総合経営サービス 肥後労務管理事務所:https://sokei-sr.jp/

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