「休日」と「休暇」を正しく使い分けていますか?経営者が押さえるべき3つのツボ
こんにちは。
社会保険労務士法人総合経営サービス 肥後労務管理事務所の白井章稔です。
前回は、混同しやすい「振替休日」と「代休」ついて説明いたしましたが、
本日も引き続き、経営者が意外と知らない「休日」と「休暇」の違いについてお話いたします。
日々の労務管理の中で「休み」という言葉は頻繁に使われますが、労働基準法において「休日」と「休暇」は明確に区別されています。
この違いを曖昧にしていると、意図せぬ未払い賃金の発生や、人件費コストの増大を招くことがあります。
今回は、社労士として現場でよく受けるご質問をもとに、実務上の注意点を3つのポイントで整理しました。
【休日】最初から労働義務がない日(例:土日、祝日)
【休暇】労働義務がある日だが、申請等により労働が免除される日(例:有給休暇、慶弔休暇)
1. 法定外休日の出勤は「週40時間」が鍵
休日は「法定休日(週1日)」と「法定外休日(会社が定めたそれ以外の休み)」に分かれます。ここで重要なのが割増賃金の考え方です。
日曜を法定休日、土曜を法定外休日としている会社の場合、日曜出勤には一律35%増の休日割増が必要です。一方、土曜出勤については、「その週の労働時間の合計が40時間を超えているか」が判断基準となります。
■ 週40時間を超える場合:超えた時間に対し25%以上の時間外割増が必要。
■ 週40時間を超えない場合:(平日に欠勤があった場合など)割増なしの1.0倍の支払いで済む可能性がある。
※出典:厚生労働省「労働時間・休日に関する主なルールの確認(2024年4月版)」
2. 「休暇」と「休業」を混同しない
言葉は似ていますが、「有給休暇」などの「休暇」と、育児・介護などの「休業」は、法的な位置づけが異なります。実務上は以下の違いを意識してください。
【休暇】主に1日単位で取得。年次有給休暇は法律で「賃金の支払い(有給)」が義務付けられています。
【休業】育児や介護、産前産後など、一定の期間にわたって就労を停止する。会社に賃金の支払義務はない。
「休業」については、雇用保険から給付金が出たり、社会保険料が免除されたりといった公的な支援制度とセットで考える必要があります。これらを「休み」として一括りにせず、別々の規程で運用することが不可欠です。
3. 「月給が同じなら」休日増が残業単価を押し上げる
「福利厚生のために年間休日を増やしたい」というご相談をよくいただきますが、コスト面での副作用も理解しておかなければなりません。
月給(基本給等)が同じであれば、年間休日数が増えるほど、残業代の単価は上がります。
残業単価は「月給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間」で算出します。休日を増やすと、分母である「所定労働時間」が少なくなります。その結果、1時間あたりの単価が上がり、同じ1時間の残業でも、休日が多い会社の方が支払額が高くなるのです。休日を増やす際は、この「隠れたコスト」も考慮して賃金設計を行うのがプロの視点です。
まとめ:正確な定義が「守りの経営」を支える
「休日」と「休暇」、そして「休業」。これらを正しく使い分け、就業規則に反映させることは、不要な労使トラブルを防ぐだけでなく、無駄な人件費コストを抑えることにも繋がります。
もし貴社の就業規則において、土曜出勤の扱いが曖昧だったり、休日を増やす際の影響シミュレーションができていなかったりする場合は、ぜひ一度ご相談ください。貴社の実態に合った休日・休暇制度の設計を、実務面から分かりやすくサポートいたします。
執筆者:社会保険労務士法人総合経営サービス肥後労務管理事務所
社会保険労務士 代表社員 白井 章稔
「うちの会社の休みのルール、今のままで大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、トラブルになる前に、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。
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