助成金と補助金の違いを徹底解説|中小企業・個人事業主のための活用ポイント
企業経営や事業活動を行う上で、「助成金」と「補助金」という言葉を耳にする機会は多いでしょう。どちらも返済不要の資金援助制度ですが、その仕組みや目的、申請方法にはさまざまな違いがあります。
本記事では、両者の違いを分かりやすく解説し、活用時の注意点までご紹介します。
助成金と補助金は、いずれも国や自治体が企業や団体、個人に対して提供する返済不要の資金です。しかし、その本質や支給の仕組みには明確な違いがあります。
1. 基本的な違い
■助成金:主に厚生労働省が管轄し、雇用促進や労働環境の改善を目的としています。
要件を満たせば原則受給できるのが特徴です。他の応募者と競う必要がなく、申請条件をクリアしていればほぼ確実に受給できます。
■補助金:主に経済産業省や地方自治体が管轄し、新規事業の立ち上げや技術革新、地域振興などを目的としています。
審査・選考(コンペ)があり、申請後に事業計画の内容や公益性などが審査され、採択された場合のみ受給できます。
2. 目的・対象の違い
■助成金:主に雇用の増加や安定、従業員のスキルアップ、職場環境の改善など「人」に関する支援が中心です。例:キャリアアップ助成金、働き方改革推進支援助成金など。
■補助金:新規事業や設備投資、技術開発、地域活性化など「事業」や「地域」に関する支援が中心です。例:ものづくり補助金、事業再構築補助金など。
3. 給付額・資金規模
■助成金:給付額は数十万円から数百万円程度が一般的です。
■補助金:数百万円から数億円規模のものまで幅広く、比較的高額な支援が受けられるケースも多いです。
4. 募集期間・申請の柔軟性
■助成金:通年で募集しているものが多く、比較的柔軟に申請できます。
■補助金:募集期間が短く、年に数回のみ公募されるケースが多いです。申請のタイミングを逃すと次回まで待つ必要があります。
5. 支給方法
多くの助成金・補助金は後払い制です。まずは自己資金で事業を実施し、完了後に支給申請を行う流れとなります。事前に資金計画を立てておくことが重要です。
6.助成金の申請から受給まで
-
- 実施計画の申請(必要な場合)
- 実施(雇用や職場環境改善など)
- 支給申請
- 審査・給付
7. 補助金の申請から受給まで
-
- 公募期間内に申請書類を提出
- 書類審査・採択
- 事業実施
- 事業終了後、支給申請
- 審査・給付
- 年1回の報告
8. 活用時の注意点
- 自社に必要な制度か:制度の趣旨と目的が一致しない場合もあるため、内容をよく確認しましょう。
- 自己資金の準備:助成金、補助金の多くが後払いのため、先に補助対象経費全額の持出しが発生します。
- 申請書類の正確な準備:書類不備や要件未達で不支給となるケースもあるため、丁寧な準備が不可欠です。
9. まとめ
助成金と補助金は、どちらも企業や団体の活動を力強く後押ししてくれる制度です。しかし、その目的や申請方法、受給のしやすさ、給付額などに大きな違いがあります。自社の事業内容や目的に応じて、最適な制度を選び、計画的に活用することが成功への第一歩です。
「どちらが自社に合っているのか分からない」「申請に不安がある」という場合は、専門家や支援機関に相談することをおすすめします。正しい知識を持って、賢く制度を活用しましょう。
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